
どの病院でも「異常なし」と診断されそれ以上の診察はして貰えずが何軒も続いた。
そうこうしているうちに、右足はピクリとも動かなくなっていた。
うっかり熱湯を足にかけて「あれ?」と気づいてから1年ちょい。歩行に松葉杖が必要な状態となるほど、麻痺が進行していた。
何が起きているのかわからないままという訳にもいかず、病院を探す日々は続いた。
家から病院の交通手段は電車・バス。
我が家は父しか車の運転ができず、且つ、この頃は両親とも正社員だったから頼るのも申し訳なくて、片足だし平気だろうと自分だけで通院していたのだが、その判断が間違いだったのかもしれない。
大学病院は診察や検査には「予約時間」があるのが当たり前。
診てくれる病院があるならばどこへでもと、家から病院まで範囲は決めてはなくて、時には2時間以上かかるほど遠い病院だろうと通った。
予約時間がゆっくりめでも、早く歩けない分、家を出る時間が通勤ラッシュに被る。後ろから押されて階段から転げ落ちたり、雨の日は傘で松葉杖を掬われて転倒したりで、通院の度に傷が増えていった。
日本人は親切だ、思いやりがあるだのと言われているが、とんでもない!ホントの親切な人など極々僅か、ほんの一握りしか存在しない。日本人の大半は、善良の皮を被った自己中心的で体裁を重視し、巻き込まれないように遠目で傍観するような人種だと、未だにボクは思ってる。
カメラが回って無ければ、見て見ぬふりをする薄情な生き物だ。それを闘病中の通院で、ボクは身を以て学んだ。