Nebosukeの引籠り部屋

日常で思ったことを気ままに書いてる”ボヤきブログ”です。

もう一度・・・

或る日から、「ごめんね」が母の口癖になった。

毎回、病院に同行してくれる母。
病院からの帰路中、ずっと母は「ごめんね」を繰り返し常に下を向いていた。

ボクが過呼吸で苦しんだ時も「変われなくてごめんね」と言った。
ピクリとも動かないボクの足をマッサージしながら「こんな体に産んでごめんね」といい、薬の影響で内臓がダメになり、食べては吐いてしまうボクの背中をさすりながら、「料理が下手でごめんね」を誤った。

なぜ誤るの?何も悪くないのに、なんで沢山誤るの?そう思ったけど、言葉にはできなかった。聞いてはいけない気がした。

母親とは、お腹に宿った生命を十月十日守って守って世に命を誕生させる。
きっと正しい守り方なんてないのだろう。決して楽な十月十日ではないのだろう。
出産だって、母子の生命が危険になることもある。
それでも産んでくれた母に、ボクは感謝をしている。
産まれた赤子が五体満足健康で、細胞も100%丈夫か健康かなんてわかるわけがない。
だから、ボクが不自由になったのは母の責任なんかじゃない。

それでも下を向かせてしまったのは、「ごめんね」を口癖にさせてしまったのはボクだ。

母の笑顔が取り戻せるのなら、ボクはどんな治療にだって逃げずに耐えて見せる。だからどうか母よ、もう一度笑ってください。

 

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