道標
これはお前にだけ訪れた試練なんじゃないかな。苦しいだろうし痛いだろうし、もう嫌だって思うかもしれない。でも、乗り越えられない試練はないと思うんだ。この試練がお前にだけ訪れたのにはきっと意味が必ずある。乗り越えようと足掻く中で得られた経験は…
9月6日はボクの父上の7回忌であり、母方の祖父の13回忌でもある日。決して優しくはないけれど、こっちだよと背中で導いてくれた父上、そのままでいいんだよと、温かく大きな手で包んで祖父。どちらも、ボクにとっては最も居心地の良い場所だった。 ずっ…
ボクの「道標(みちしるべ)」は父上の背中。これは永遠に変わらないだろう。 ボクは父上を尊敬している。ボクは父上の背中を追い続けている。 父上は決してご立派な人だったわけではない。寧ろ、邪道街道まっしぐらな生き方をしてきた人で、男としてはダメ人間…
ボクが独り暮らしをする前は、よく一緒に日曜大工をしたね。 でも、ボクの体が不自由になってからは、互いの心の距離感がズレてしまって、お互い距離を置こう、土台を作ろうと話し合って、決めて、父上が居ない間にボクはあの家を旅立った。 久々に声を聞い…
父上。 土佐湾の心地はどうですか? 父上が去ってから5年。父上の写真を見ることができるようになりました。 死別が受け入れられなくて、認めたくなくて、どうしても父上の写真と向き合うことができなかったけれど、ボクなりに一歩踏み出せました。 今年3月…
「意地」と「プライド」は全く違う! 履き違えるな! 父上は言った。 プライドは「誇り」。高みを目指すために譲れないもの。 プライドがある限り人は成長ができる。 強く強く輝いていられる。 何を捨てても、プライドだけは捨てるな。 意地とは「頑固」。中身が空っ…
言葉を履き違うことに厳しい父上に、もっとも厳しく教えられたのが、「礼儀作法」 礼儀の本質は相手に対する配慮。 礼儀作法とは相手を心から気遣い、それを表現すること。 気遣かうこと・思いやることすなわち「憂いの心」なくしてはできない。 「憂いの心」とは…
嫁ぐ時、母様に言われたことはただひとつ。 「例えば、両家同時に何か不慮な事故があったとして、お前が真っ先に向かうのは、嫁いだ側でなくてはならない。嫁ぐとは、そうゆうこと。その覚悟をもて。優先順位を間違うな。」 ボクにとっての家族とは、ボクの命…